でもただなんだか、言ってほしい言葉があったんだと思う。

ドキドキしながら南野の言葉を待つ。

やっと口を開いたと思ったら、放した言葉は一言。


「俺、チョコレート嫌い」


なにを期待したんだろう。

嫌いと言った南野の目は、冷たかった。


「大変陽毬ちゃん!大河君が!」


いきなり血相を変えて教室に入ってきたのは大河の所属しているサッカー部のマネージャーさん。