すると美生はニヤリと笑って今度は優梨に耳打ちした。

あたしにかすかに聞こえるくらいの声で


「優梨ちゃん、頑張れ」


と言った。

途端優梨の顔は真っ赤に。


「ん?優梨どした?」

「ななな、なにもないよ!!」


慌てちゃって。

大河にいつバレてもおかしくないよ……。


「そーだ優梨。見したいもんがあるからうち来いよ」

「えっえっ」

「いーからほら!」


大河は笑いながら優梨の手を引っ張り部屋を出た。

あたしに向かって笑顔を残して。