………由美子?

お母さんの名前ではない。

好きってなに?

お父さんはお母さんが好きなんじゃないの?

お父さんは………。

『うわき』をしていたの………?

その途端、俺の中で何かが崩れ落ちた。

お父さんが……この人がお母さんを傷つけた。

目線の先にチョコレートが見えた。

昨日と同じやつだ。


「チョコレートなんて………」


どんなに俺がヒーローになったって。

お母さん一人守れなかった。

やっぱり俺は、弱いヒーローだったんだ。