その手紙を読んだ瞬間、手紙をもって部屋の外に出た。

お父さんにいち早く教えてあげたかった。

ケンカばっかりだったけど、お母さんは離婚なんてしたくなかったんだよって。

そうしたらきっと…………。


「だから、何度も言ってるだろう」


お父さんの声が角から聞こえた。

誰かと会話しているようだった。


「お父さ…………」

「由美子のことは好きだけど、俺には空がいるんだ。結婚はできない」