お母さんは、普段はおとなしく柔らかな人だった。 だけど、一旦怒り出すと止まらない人でもあった。 「空。絵本読んであげよっか」 「絵本ー?僕もう7歳だよー」 「いいからいいから。お母さんの大好きな絵本」 その絵本は、チョコレートの世界の話という、正直よくわからない絵本だった。 チョコレートの国では暑い太陽が天敵で、いつもみんな困っていた。 そこで一人のチョコレートが太陽と戦いうと言い出した。 『僕がみんなを守るよ』