17年間聴き続けた、大河の声。 『陽毬』って、ずっとずっと、呼んでくれてた。 少しの間黙っていた大河が口を開く。 「好きだよ」 …………うん。 わかってるよ。知ってるよ。 あたしも大河が好きだよ。 …………でもそれは、重なりあうことのない『好き』 それが無性に悲しくて涙が出てくる。 「好きだよ、陽毬。小さい頃からずっと好きだった。いつも幸せをくれてありがとう。返せなくてごめん」