*●*●*●*● 「ごめんね、呼び出しちゃって」 「……いや」 冷たい風があたしたちの間をすり抜ける。 目は逸らさない。 真っ直ぐ、前を向いて。 「あたしは、大河の彼女。それは十分、わかってる。でも…………」 一度言葉を切り、息を吸う。 大切にしてくれたのに、あんなにも想ってくれていたのに。 こんな悲しい終わり方、誰も望んでなんかいなかった。