嫌いになって。 突き放して。 「あたしは別に、 南野が好きなわけじゃないから」 あなたを傷つけるあたしを、どうか許さないで。 そうしないとあたしは、また何度でも振り向いちゃうから。 涙が出そうになって、唇を小さく噛んだ。 そして、南野の顔を見ずに教室を出た。 今度は、引き止めてくれなかったな。