でも、でももし、大河の告白を受けとらなかったら?

あそこで、間違った選択をしていなかったら?


「…………素直に、なれてたかな」


つぶやいて、ドアを開けると、あたしの机の隣に、寝ている人が一人。

夕日が眩しいのに、彼はそれ以上に輝いて見えた。


「………………こんなとこで寝てたら風邪ひくよー」


そう言って、寝ているあたしの最愛の初恋の人、南野の手の上にあたしの手を重ねた。