「………………私ちょっとだけ前ね、お姉ちゃんがまだ学校休んでたとき。南野さんに告白したんだ」
「…………え?」
告白、したの?
だから南野に避けられてたのかな。
「でもフられちゃってね?悲しかったけど、そのとき言われた言葉で敵わないなって、思った」
「敵わない?誰に?」
「…………南野さん、言ってた」
『俺は、10年間ずっと片想いしてるやつがいるから。失恋だけど、泣いてたら絶対助けてやるって約束したから、俺はまた、片想いすんだ』
その言葉に、止まっていた涙がまた溢れてきた。
そして、あたしの傷ついてボロホロになった心を優しく溶かした。