「陽毬は知っていないのね。じゃなきゃあんなふうに笑ってらんないわよ」 「そう、だな」 離婚のことは南野と先生の会話をたまたま聞いて、南野が落とした手紙に、残り全部書いてあった。 いつも持ち歩いているみたいですごい大切なもんらしいけど、クラスのみんなは誰一人知らないらしい。 「なんでみんなに言わないのかしら」 「そりゃあ、陽毬に知られたくないからだろ」 「………どうして、隠す必要があると思う?」 「……」