「あたし、大河と付き合うよ」


そう言った陽毬の言葉に、心は入っていない気がした。

わかってたけど、ずっと気づかないフリをしていた。

それでも、それでも…………。

限界は、やってくる。


「ねぇ南野!あのさぁ!」

「んー?」


南野空と楽しそうに話す陽毬の姿は、どこか10年前の王子様を見つけたと言った陽毬の姿と重なって見えた。