「…………うん」 窓の外を見つめた。 すこしずつ、暗くなり始めてる。 「10年前ね、あたし森に迷い込んだんだ」 「うん」 「暗くて、寂しくて、一人で泣いてたら、ある男の子と会ったの。その子は笑ってチョコをくれてね」 「……………うん」 「それ以来、その子とは会えてないんだけど、その子はあたしが泣いてるとき、チョコを食べていれば、また助けてくれるって言ってくれたの」