「え、ちょ、南野!?待って、冗談だよね!?」


慌てるあたしの耳に、会場の黄色い大合唱が響く。

南野はあたしのすぐ近くで止まった。

ドクンドクンと、心臓が南野に聞こえちゃうんじゃないかってくらい鳴り出す。


「__________桜庭」


南野が小さくつぶやいて顔を近づけてくる。

あと20センチ、10センチ、5センチ………………。