「はい美生、マイク」

「えっえっ」


あわあわと慌てる美生に無理矢理マイクを持たせる。


「どうせなら今ここで伝えちゃえ!」

「………うん!」


美生は真っ直ぐ客席に目を向けた。

目線の先には、美生のお母さん。


「私、夜は寝ないで作ったよ。何回も何回も作り直した。今日のために……。だから、見てくれて嬉しかった。ありがとう!!」