熱い炎が周りを焼いてく。
あの炎の中に、ミイちゃんが……


「……ミイちゃん」

助けるの、わたしが。




「てめえは死にてえのか、バカが」


引かれた腕を振り払う。
あの中に、ミイちゃんがいるから―――


「行かせて!!」

叫ぶと、

ちっ、
舌打ちと共に喉が締められた。


「そんなに死にてえなら」

「桜木くん、その手を離しなさい」

「退け」


すごい力が首にくい込む。
頭が爆発しそう、目が熱くなる…その先で、春色のスカートが揺れた。


―――ミイちゃんが履いてた



「ミイ…」

霞む先に誰かに守られるようにして抱き抱えられたミイちゃんがいた。

傷ひとつもなく。


「つばき、ちゃん」

名を呼ばれた瞬間に締められた首から手が離れた。

ミイちゃんが抱き抱えられた腕から抜け出してわたしに飛び付いた。