ボーッとしてた。
榊先生が帰ってからも、ずっと一目惚れなんだって言われたその一言が頭の中で回ってて。
ベットに潜り込んでからも榊先生が言ったことを考えてた。
『高校を卒業したら、わたしと結婚してくれますか?』
『…榊先生?』
『本気です』
きゃーっ
今考えたら生まれて初めての告白!
「つばき、クラスメートの柊くんから電話よ!」
夢の余韻をぶち壊すいきなりのお母さんの声。
慌てて受話器を取ると、一階でお母さんがニヤッと笑ったのが見えた。
『つばきさん、放課後に何もなかった?』
「え?」
『昨日、襲われたから少し気になって……榊先生が送ってくって言ってたから大丈夫かなって思ったんだけど、』
「あ、ありがとう」
柊くんが心配してくれてたんだ。
わざわざ家に電話を掛けてきてくれたんだ。
電話の内容がなんだかとっても嬉しかった。