授業が終わると榊先生と遅れを取り戻す勉強して。
帰りは教室にカバンを取りに行くのも榊先生がついてきてくれた。
途中、部活の帰りの生徒たちとすれ違う男子生徒が振り返った。
「榊先生、わたしそんなに目立ちますか?」
「……つばきさんは人間ですからね。どうしても」
榊先生は苦い表情をした。
「榊先生…わたしが持ってるっ鬼呼びの力って何ですか?」
今朝、藤先輩がわたしに知らないのかい?って聞いて笑った。
藤先輩は選ばれたって言ってたけどどういうことなのかわからない。
榊先生は困ったように笑うと、
「車の中で話します」とため息をついた。
榊先生の車に助手席に座ると運転しながら鬼について教えてくれた。
「ここでは生まれついて階級があるんですよ」
柊くんも言ってたっけ?
身分差みたいなものなのかな?
「普通の鬼は瞳が赤いんです、または赤に近い色。昨日、つばきさんを襲ったのは赤い瞳の一般生徒です」