階級社会?
「あんたの、だろ?これ」
はっ、として顔を上げると、桜木くんがポケットから何か光るものを取り出した。
見ると、昨日の夜に無くしたもうひとつの指輪。
「…ありがとう。大切なものだったの」
よかった。見つかって。
触れた瞬間に金色の光が弾けた。
「なんだ!?」
桜木くんの指に触れただけなのに光が溢れて桜木くんの指に吸い込まれてく。
「なんだこれ。外れねえ!」
指から抜こうとしたけど外れない。
「なんで外れねえ。切ってやる」
やめて!壊さないで!
切ろうとした鋭い爪が伸びる。
その手を止めようとしたら桜木くんの指に吸い込まれた指輪が光った。
「切るなってことか」
驚く桜木くん。
まるで指輪が切られることを拒否してるみたいに。