立ち上がって、私は菊とその奥にきっといる女の人を見つめる。



女の人はどこにいるか分からないけど。




「…椿、君は考えが矛盾していますよ。

君はこんな世界ではなく、人間界で生きたいはずでしょう」




「私があっちの世界にいたかった理由は1つ、強くなって…沙羅の死の真相を突き止めたかったから」




「…知っていますよ、そんなことぐらい」




知ってる…なんで…?


…まあ菊だったら、なんでも知っている気がしてならないけど。


私はまだ分からないけど、菊は明らかに私の存在を知ってるし。



…沙羅の死の真相も知ってるはず。



けど、私は知らない。でも、知るためには強くならなきゃいけないの。




「沙羅のために願ったものがこの世界で叶えられるのなら」




1度私は振り向く。


そこにはみんなの…頼もしい顔があった。




「叶えられるのなら…



…この"半世界"で生きてみせるっての!!」





菊は相変わらず笑っているけど、何度も小さくうなずいてる。



その本心は、私には分からない。



けど…