柊はいつも通りの口調だけど…優しい顔を浮かべている。



気のせいかな、そんな気がするんだよね。




「…お仲間の登場ですか。

これで俺側も、俺含め2人になってしまいましたね」



肩辺りで揃えられた菊の髪の毛が、すぅっと揺れる。


振り向いた先には…なにも見えない、けど…



…菊が言っていた"ナミより強い女"の1人が、そこにいるんだ。




どんな人なのかな…




「…椿、君は悲劇、喜劇、どちらを選びますか?

…選び方によっては、また悲劇という名の戦争がまた湧き上がるかもしれませんけど」




思わず…みんなの顔を見回す。



みんな…強い顔をしていた。



きっと、みんなは。



私と同じ思いなはず…!





「菊。私は、あの悲劇をもう繰り返したくない」




「…じゃあおとなしくナミさんを」




「誰が悲劇を起こさないって言った?」




菊の言葉が止まった。


…けど、私は止まらないよ、もう。





「菊。私はあんたが沙羅とどうゆう関係なのか…私とどうゆう関係なのか知らない。

けど…あんたにとってもきっと沙羅は大切な存在だったはず」