「悲劇だか喜劇だか知らないけど。


俺は自分が護りたいものだけ護るよ」





突如聞こえた声に…みんなの動きが止まった。



いや、私たちは止まってるけども…敵の動きも、全部。



その声に、耳を疑う。




そして次に聞こえたのは…私たちを囲んでいたやつらが、次々に倒れていく音。




ドサ、ドサ、ドサ…急いで能力を使おうとする敵もいたみたいだけど、一瞬でみんな…倒れた。





「あと残っている敵は、そこのシロさんみたいに白い菊と、

俺らをさっきから見ていろいろ援助している影にいる女ってとこかな」





「…え……」




口が動く。体も!


そっか、私たちの動きを止めていた奴が倒れたから…!




そして倒したのは、もしかして…!!





「悪い、待たせて」



「…りゅうやあああ!!」




ナミが思いっきり…現れた龍矢に抱きつく。



…まだ慣れない、この2人のツーショット



いくら知り合いだったとはいえ…いきなりすぎて…




…ま、それは置いといて。





「龍矢、なんで!?」



「…僕の予想ですけど、さっき柊が投げた小瓶の中身を飲んだのでしょうか?」



「え、そうなの!?でも効果が薄まって…あ」




柊がまるでいたずらっ子のように笑った。


へっ!なんか言っちゃって。




「そんなのウソに決まってるだろ!」



「はは、ありがとう柊。

本当にあの回復薬、すごいね」



「まあ俺様と魔術薬学部研究チームの共同開発の末に生まれた天才的な薬だからな!

…実際買うとすっげえ高いから感謝しろよ」



「ああ…感謝してる」