なに言ってるの…菊…



半世界の文明って…まさか、この能力のことじゃないよね!?



この能力が人間界に行ったら、どうなるか!



きっと、大きな大きな戦争が起きて…!!






「…せん、そう…?」




「…やっと理解しましたか、椿」





なに、これ…




頭に…映像が、流れ込んでくる…




お姉さん…沙羅の、笑っている顔が…



お姉さんは…沙羅は……




「…もし、か、し…て…」



膝からガクン、と私は崩れ落ちた。


頭を抱える…痛い、痛い…!




「椿。俺は不思議でしたよ。

君があの悲劇をどうして覚えていながらそんな平気な顔で笑っていられるのかと」





痛い…頭が、痛い………!!



沙羅…助けて……!





「やっと分かりましたよ。椿、君は確かにあの悲劇を覚えていた。けれど…」





沙羅、沙羅…ごめん、なさい…!ごめんなさい…!!



私、強くなってない、まだ…!




「君は、まだ理解をしていなかったのですね。

沙羅が死んだ舞台が、この世界だということを…」