「ほんと、何が目的なのかしら?」


犯人の目的が全く分からずそうポツリと言葉を漏らすと、由里子もお茶を一気にゴクッと喉へと流し込んだ。


スーっと潤う喉。



気持ちいい。



と、思った瞬間由里子の喉が焼けるように熱くなる。


「うっ!!」


呻き声と共に両手で喉を抑えるが、熱さは引く事は無く身体全体に広がっていく。



苦しい!

息が出来ない!

胃が……



「おえぇぇぇぇぇえ!!」


身体を屈めて唸る声を発すると同時に、口から大量に吐血する由里子。


その血がじわじわと床へと広がっていく。



助けて!

誰か、…………助けて!



痛みと熱さにのたうち回る間、そんな思いで自分以外の4人に目を向けたが、そこにあったのは冷めた目ばかり。



この人達は、……誰も信用しちゃいけなかった。