『ゲームルール

1 , 一人が出題者になり、国語辞典の指定されたページからある言葉を選び紹介します。その際、その言葉の意味を紙に書いておきます。この紙は誰にも見せてはいけません。

2, 出題者以外の全員がその言葉の正しいと思う意味をそれぞれに渡された紙に書きます。

3, 全員の意味を書かれた紙を集め、自分の書いていた答えと見比べてそこに正解が無ければ出題者の勝ちとなります』



画面に映し出されたルールを見ながら、少し首を傾げる哲夫。


「たほいやかと思ったが、違うみたいだな」


国語辞典ゲームと出た時点で由里子も哲夫と同じでたほいやかと思っていた。


何故そう思ったかと問われれば、ただ単に小学生の頃にやった記憶があったからなのだが。


「独自ルールってやつかしら」


そう言いながら由里子が人差し指で唇を撫でる。


その行動は少しでも不安を和らげようとした無意識の動作だ。