修二は冊子へと手を伸ばすと、その最初の1ページを捲る。と、そこには『全員が目が覚めてから30分後に打て』という文と、最初の国語辞典ゲームの内容が記されていた。
福西が言っていた事が嘘ではなかったという事だ。
そこから何ページか捲ると、『罪』と書かれた付箋のページへと着く。
そこに書かれていたのは、5角形の部屋に監禁されていた5人の罪。
川瀬由里子は『不倫』、恩田桜は『ネグレクト』、山橋哲夫は『幼児誘拐殺人犯』。
そして、赤坂修二は『脅し』。
ただ、時任守の罪を見た瞬間、修二が「えっ!?」と声を上げ首を傾げた。
その時、
カツン……ーー
部屋に響く靴音。
音に気付き、慌てて後ろを振り返った修二の目に入ってきたのは、哲夫の入れた部屋にあった、金色の巻き髪で青い目をした人形とその人形の手に握られている拳銃だ。
何で人形が!?
そう思い怯んだ瞬間、バンッ!!という銃声が轟く。
修二の胸を何かが貫いた様な激しい衝撃がやってくると共に、視界がグラッと揺れて霞んでいく。
そんな中で目に映るあの人形の唇が、僅かに動き言葉を放つ。
「私ね。……子供は大好きなの」
自棄に甲高いその声。
ああ。この声。
…………僕はこの声を聞いたことがある。