「いやぁ…さて、雑談はこのくらいにして。」


と、おじさんが少し間をあけて言った。


いよいよ、本当の本当に、おじさんが


この部屋に私を連れてきた理由がわかる。


「あのね…怜ちゃん。怜ちゃんは…(幸せ)
に慣れていないと思うんだけど…」


おじさんは少し顔をそむけた後、私の方を


真っ直ぐに見つめてきた。その眼差しが


あまりにも、綺麗で、私は自然と背筋が


伸びて、緊張感が倍増する。


「それでも…私達を…楓季や、私でもいい。
怜ちゃんを信じてくれる人に頼っても
いいと思うんだ。いや、怜ちゃんは、
もっと、他人に甘えるべきだよ。」


と、おじさんは、今日一の笑顔で、私が


今まで、生きてきた中で、一番欲しくて


そして、絶対に手に入らない、言葉を


この人は言ってくれた。