そして、私は数分間その顔のまんまだった



数分間、おーい。と目の前に座るおじさん



に、顔の前で手をフリフリさせる。



私は、それに気づいて、はっと肩を少し



ビクッとあげて、すみません…。と



小さく言った。



「いやいや。いきなりこんなこと言われた
ら、誰だってびっくりするもんね。
ただでさえ、せっかく友達の家に遊びに
来たのに、その親にあって変なこと
言われてるのにね…。」



と、余裕たっぷりのニコニコ顔で返事



させる。くっ…これが大人の余裕か…!!



と、少し悔しい思いをしながら、冷静に



話の続きを待つ。



「まぁまぁ…でも、面白いな。怜ちゃんは
思ってることがすぐ顔にでて、わかり
やすくていいね。からかいたくなる
楓季の気持ちも分かるよ。」



と、おじさんは納得顔でウンウンと



勝手に頷き始めた。