また、重い空気が部屋の中に流れる。


楓季も私もお互いを見れないまま


時間は刻々と過ぎていった。


それから、この沈黙に耐えきれなくなった


のか、また、楓季が先に口を開く。


「ねぇ、怜。もしかして…あの人のこと
考えてる?」


楓季が言う ゙あの人゙ とは、私の過去で


私の人生をめちゃくちゃにした人だ。


私は楓季に出会ってから初めて楓季の家に


行った時、おじさんから言われた言葉を


思い出していた。