゙中島 桐生゙

その名を私が忘れるわけない…。

「はい…。もちろん。で、その人がどうしたんですか?」


おじさんは私の返事を待って話を続けた。


「実はね…うちの事務所だったんだけど…
桐生君がね…うちのライバル事務所
に引き抜きされてね…。」


アハハ…情けなくてめんぼくない…。


と、おじさんは愛想笑いしながら続ける。


「だからね…怜ちゃんが受けてもらうオーディションはね、そのライバル事務所に
所属しているあるアイドルグループの
新メンバーのオーディションなんだ。」


私はへぇーと思いながら黙って聞く。


「そのアイドルグループの名前は…
゙ZERO゙ っていう男子5人組のグループなんだよ。」


ん…?ちょっと待って…。今…


゙男子5人組グループ゙ っておじさん


言わなかった?私はきょとんとして


すぐにおじさんに問いただした。


「あの〜男子5人グループって言いました?」


すると、おじさんからは ゙うん゙と何を


不思議がってるの?というふうに返事が


帰ってきた。