と、思いきや。
次第に激しくなるキス。



「っんン?!」

ちょっ!ちょっと、まって!
こんなキスしたことないんですけどっ。



「ちょっ……っん……ぁ」


──っ!??!?
なっ、あ、温かいのが口の中に入ってきたんだけどー!?
なんか、こ、声がっ!

やばい、クラクラする。
頭も何も考えられないよ。
このまま死んじゃうっ!!

必死に隼田くんの胸を叩く。
何回かしてやっと離してくれた。




「っんは……っ!」

勢いよく酸素を取り込む。
まるで魚が必死に酸素を取り込もうとしてるかのように。



って、こんなの聞いてない!
……言われてもないけど。
でもでもでも!
心臓に悪過ぎるっ。

あ、あんなのっ恥ずかしすぎるよー!



「ごめん、なんかムカついたから」

さらりと笑いながら言ってますけど?
ムカついたから?!
なぜ!!


「……アイツにされてたじゃん」

「えっ?」

なんて言ったの?
あまりにも小さすぎな声で聞き取れなかった。
もう一度クエスチョンマークを出した。


「……応急処置?」

「おうきゅうしょち?」

「そう」


よく分からない。
ムカついて応急処置って。

首をかしげて隼田くんをみるけど、言わせるな、とでも言っているのだろうか。
そんな表情で見つめ返してくるから追求するのを止めにした。