隼田くんがゆっくりと体を離して、あたしの目を真っ直ぐ捕らえる。


「俺は何が何でも木下から、離れない。体型とか関係ない。迷惑とも思ってない。恥ずかしいとも一度も思ったことない!……俺は木下を好きになったんだ」


もう完全に涙は止まってくれない。
嬉しくて、申し訳なくて。
いろんな感情がごちゃまぜで。
笑いたいのに、笑えなくて。涙ばかり。


「っ。はやた、く……っありがと……うー」

泣きながら今度はあたしが抱きついた。

我ながらみっともない泣き方だなと思う。
でも、こうやって抱きしめ返してくれる人がいる。
ありがとう、今はその一言だけしか思いつかない。

でも、もう一つ言うなら……。


「あたしも、隼田くんが好きっ……大好き!」


顔を上げると、少し潤んだ彼と視線が重なった。
……隼田くんも、泣いてたのかな。
ごめんね。
でも、ありがとう。




だんだんと近づいてくる顔。
あたしはゆっくり目を閉じ、優しいキスを落とされた。