「うん…多分暫くはそうなると思う。だからさ」

そこで一度言葉を止めた慶介さんから、



「実乃、俺と結婚して下さい」



響いてきたフレーズは女の子なら誰だって一度は思い描くもの。

「慶介さん…」

優しくて誠実で仕事も出来て。
一緒にいるだけで安心出来て。
経済的にも社会的にも安定した位置にいる慶介さんは私には勿体無いくらいの人だというのは十分過ぎるほど分かってる。


「絶対、幸せにする」


だから、迷うことなんて何もない。


「…はい」


彼からの言葉に頷かない理由なんて何処にもないんだ。