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蓮見燐が去った後、彼女にそっと近づく




ザッ


ビクッ




誰もいないと思っていたのに土を踏む音がしてびっくりしたのか彼女が顔を上げる




「だ、誰?」




んー、
あえて名乗るならば




『先程のやり取りを見ていたものです』





正直にそう言うと怪訝そうな顔をされた




まぁいきなりそんなことを言われたら誰でもそうなるだろう



『あなたは、本当に彼が嫌いだったのですか?』




「……そうよ、本心で言ったの」




そんな泣きそうな顔で言われても説得力が無いんですけどね





『そうですか。………なら、彼が誰かのものになっても悔しくは無いんですよね?悲しくも無いんですよね?』




「だって、仕方ないじゃない!」



私の言葉にカッとなったのか言い返してくる





…そうこなくちゃ




「私、留学するのよ。いつ帰ってくる分からない。その間に彼の心が離れていかないとも限らないし、不安でいっぱいなの!」




『だから、先に振ってやろうって?
蓮見くんの気持ちは無視ですか?!』