「そんな辛そうな顔しないでよー♡」
クレープを食べられるという幸せに杏果の顔は笑顔だったが、さっきの顔が嘘のように私の顔からは負のオーラが出ていたに違いない。
私はホームシック病にでもかかってしまったのだろうか。
中毒性のあるホームである。
でも約束は約束。行かなければ。
「仕方ない。行きますか」
「やったー!」
杏果の笑顔を見ていたらこんな放課後も悪くない気がしてきた。
「二個ね?♡」
「…。」
前言撤回。やはり最悪である。
「もう好きにしてくれ…」
ホームシック病患者(仮)には辛い放課後だった。