はじまり。
その日は夏休み真っ盛りの暑い日。
友達三人で県外のプールまで遊びに来ていた。
「はーるか!さっさとしなよー。」
そう声を張り上げて彼女を呼んだ少女は神野美南(かんのみなみ)、同じクラスのクラス委員でしっかり者。仲良しグループのまとめ役である。
呼ばれたはるかこと、佐倉陽歌(さくらはるか)はこの物語の主人公であり、少しのんびりとしていてマイペースな少女である。
「美南ー!はーるーかー!」
そう呼んだのは運動神経が良くて明るい水城結衣(みずしろゆい)。
準備をさっさと済ませ我先にと進んでいる。
「待ってよ美南ちゃん,結衣ちゃん…。」
慌てて用意を済ませ疲れた様子で出てきた陽歌を見て二人はついつい笑ってしまう。
「なにもう疲れてるの!」
「プールは目の前!泳ごう!」