夜。 
知恵は家で大輔の帰りを待っていた。

二人は結婚して、川越市にマンションを購入した。

値段もサラリーマンの大輔が買える手頃な物件だった。

会社までの通勤時間や都心からも近いという魅力があったため、二人は思いきって購入した。

知恵は、リビングのダイニングテーブルに座っていた。

テーブルの上には夕食の準備があった。

料理は、鰈の煮付けとニラの卵どじだった。

大輔が好物のものを準備した。

知恵が時計を見ると、午後十一時を過ぎていた。

食事を準備する時に、携帯のメールで遅くなると連絡があったのが、午後七時過ぎだった。