「真美、ありがとう」　
知恵は立ち上がり、後ろ姿の真美に言った。

「ちょっとだけ、不安があったの。これからのことに・・・」
　
真美が振り返った。

「ねぇ、知恵、私も結婚して、仕事と家事をしながら、いっも忙しく過した中で、突然、子供ができちゃ時は、知恵と同じ不安があったけど・・・旦那の協力でなんとかやつてるよ」
「・・・」

「私にできるんだから、頑張り屋の知恵もできるわよ。それにね、子供の笑顔って、なによりも元気をもらえるわよ」
と、にこりと笑って、真美は出て行った。

知恵は、真美に励まされた。

真美が言った、子供の笑顔は元気をもらえるという言葉は、わかるような気がした。

以前、真美の子供が赤ちゃんだった頃、何度か抱かしてもらったことがある。
あどけなく笑う表情は、とても愛らしく思えた。

自分の子供だったら、それ以上の思いが生まれてくるだろう。
そう思うと、知恵もお腹の中の子供に早く会いたい気がした。