けれど。

「ア……むぐっ!?」

大きな手で口を塞がれ、声が出ない。

「んぅぅ!んー!!」

(やだ、やだ…!アウゼッ…!!)

呼吸もままならず、次第に意識が朦朧と
しはじめる。

(アウゼ…私、死んじゃうの…?
側にいるって、約束したのに……。)

意識を失いそうになった、その時。


「…俺の側にずっといるんじゃなかったの
かよ?」

大好きな、あの人の声。

何とか目を開けると、アウゼが男を
睨み付けている。