「先を急ぐぞ。」

そう言ってアウゼはずんずん進んでいく。

「あ、ちょ、待って……ぶっ!?」

暗いなか慌てて走ったからか、壁らしき
物体に当たる。

でも、壁にしては痛くないような…?

ペタペタ触ってみると、温かい。

つついてみると、柔らかい。

………ま…さ…か…?

恐る恐る上を見ると…

月明かりに照らされた巨漢が、目の前に…。

「…予言の姫。ボスにお渡ししなければ。」

ドスのきいた声でそう言われ、アウゼを
呼ぼうとした…