放課後。


「千夏カラオケ行かない?」


「ごめん。今日はちょっと無理。」


「そっかあ、じゃあ今度ね。」


彼氏とデートでもないのに(いないけど)大好きなカラオケ断って。


放課後の教室。


ほうき持って。


バケツ用意して。


雑巾しぼって。


「あぁ、もう!!何で私が真下の掃除に付き合わされなきゃなんないの!?」


「急に大声出すなよ。本当は嬉しいくせに(笑」


「はぁ?」


「素直になりなさい。」


掃除とかありえない。


今日はついてないんだ。


篠原とケンカするし。


カラオケも行けないし。


居残り掃除手伝わされるし。


「あのさぁ、真下って何でそういう冗談ばっか言うかな?そんなことばっか言うから付き合ってるとか勘違いされるんだよ?」


「………」


「えっ、無視ッスか?」


「冗談じゃないけど。」


「えっ?」


「俺はマジで嬉しいよ。高瀬と掃除すんのも、付き合ってんの?って聞かれるのも。」


「えっ、それって……」


「好きってこと。」