最初は面食いなのかなって思ってたけど、どうやら違うらしい。
だって、今気になってる篠原は、格好良いって言うより可愛い感じの顔で、私のタイプとは違うから。
「高瀬は悩みとかあんの?」
私の顔を覗き込むようにして篠原が聞いてきた。
「ん〜…別に。」
“アンタへのこのキモチが恋なのかわからない。”
なんて言えるわけないじゃん。
「なんだ。心配して損した。」
「心配してるって顔じゃなかったよ。」
「そんなことねぇよ。俺、高瀬の親友だし。」
ニコッって笑うその顔に何だか温かいキモチになるとか。
親友って言葉にほんの少し胸がチクッと痛むとか。
そんな小さな変化に、この時初めて気づいた。
「そっか…」
私、コイツに恋してたんだ。
「何?」
「アンタは親友じゃなかったよ。」
「うわっ、ひっでぇ。」
「あ〜解決したらすっきりした。」
「あ、やっぱ悩みあったんじゃん。」
「もう心配いらないよ。」
「何でだよ〜。俺ら親友じゃん。」
「親友じゃないから。」
初めての恋に気付き日。
こうして私の初恋ははじまったんだ。