『ポタッ、ポタッ』

涙の落ちる音が静かに聞こえてくる

「──俺はどうしたらいい」

「死にたくない

死にたくない………

……生きたいっ」

私はゆっくりと近づき

「蓮君顔を上げて!」

蓮は顔を上げて

「えっ………おまえ声が」

「蓮君………私は今まで声が

出ないふりをしてきました。」



「この声が原因でいじめられたからです。

それ以来家族にさえ声を発していません

そして、全てを忘れようと

ただひたすら勉強しました、

苦しみから逃げるために」