世の中に奇跡っていうものがもしもほんとうにあるなら、それが今この瞬間だってあたしは本気で思った。 『もしもきもちが変わらないなら……』 まーくんはそう言った。 だけどそのときのあたしに"もしも"なんて言葉はぜんぜん必要なかった。 すきだったのだ。 たぶん人生で一番。 要するに、あたしは彼に 骨抜きにされたのだ。 高校生になるのが 急に待ち遠しくなった。