まーくんが次に口をひらくまでに、きっと10秒はかかったと思う。

そのたった10秒が、あたしにはまるで永遠だった。


「ごめん…」


やっぱりね、
そう思ったのに、涙の止め方をあたしは知らなかった。



「佐伯さんはいままでで一番大切な生徒だから、君に嘘はつけない。」

「え…?」


「すきだよ。
僕は君がすきだ。
でもいまはどうすることもできない。もし…」


「もし、何?!」



「もしも君のきもちが変わらないなら…」










──高校生になったときに、もう一度おいで。