まーくんと会えなくなってまるまる2年が経って、あたしは高2になった。

彼のおかげなのか、いまはいわゆる"進学校"の女子校に通っている。


そしてマリはこの「まーくんとの1年間」をいつも隣で見ていたから、何もかも知っている数少ない人間のひとりだ。

何もかも知っていて、そんなあたしを誰よりも心配してくれている。





「忘れられないんじゃないよ、
忘れたくないだけ。」

あたしがそう言うと、マリは自分の痛みのように哀しく顔を歪ませた。



「あんなの嘘にきまってるよ…
だって実際もう2年も会ってないんでしょ?」