「つぐみー!」

すこし怒ったようすを声に含ませてやって来たのは、高瀬マリ(タカセマリ)。

たぶんあたしが唯一、心を許してる親友。

「あ、マリちゃーん」

「"マリちゃーん"、じゃないでしょもー!!!
あんたこれで何回目だとおもってんの!」


「うー…」


あたしは何も言い返せなくなってしまう。

そうなのだ。
あたしはきのうもマリの誘いをすっぽかして逃げた。



「だって合コンなんてあたしにはむりだよー!」


「まさかあんたまだ忘れられないの…?」

ため息をつきながらマリはつぶやいた。