30分もたつと、あたしはすっかり飽きてしまった。


──まーくんとはもう二度と会えない



それが変わらないなら、望みなんてものはそもそもあたしには無いのだ。

あたしはマリが「帰ろう」と言えば、今すぐにでも帰るのに、と思ってすこし苛々した。

夏の太陽の日差しはまったく遠慮することを知らない。



するとそのとき、ひとりの男が店から出てきた。

周りの客たちがどよめき出す。