テレサって…
その名前と黒ずくめの服装は、なんだかほんとうにいかにもな感じがして、ひどくインチキくさかった。

紙面には夢のように調子のいい体験談がおどる。


『私が借金に苦しんでいることを、テレサ様は一目で言い当てました。そして何も言わずにすべてを解決できる力を授けてくださったんです!』


『テレサ様に出会えたことで私の人生は大きく変わりました。彼女は何も説明しなくても、こちらが一番必要とするものを与えてくれます。』




ちらっとマリに目をやると、うっとりした表情を浮かべながらため息をついていた。

あたしの100倍しっかりして見えるこの親友の唯一の弱点が、この夢見がちな少女趣味だと思う。

運命とか占いとか…

とにかくそういう非現実的なものには、マリはほんとうに目がないのだ。