そう言いながら目頭には熱いものがこみ上げてきた。


私は今度はそれを隠すため下を向きながら必死で我慢する。



「そんなに辛いんだったらさ」



そんな私を見かねた影山修二が口を開いた。



「好きなのやめればいいじゃん。」


「え……」


「藤を好きなの」



藤くんを好きなのを


やめる………?


私が藤くんを好きになって気づけばもう一年もの時が過ぎようとしている。


叶わぬ片想いに心身共に疲れているのは私自身も気づいていた。


でも、それをやめるなんて。


この約一年間の想いを


打ち消すことなんて


果たして簡単できるのだろうか。



自分の本当の気持ちに



嘘をつくということならば



そしたらいつか



ぜんぶ消えてなくなる日が来るんだろうか



こんな胸の痛さとかも



ぜんぶぜんぶ



あとかたもなく



まるで



何もなかったかのように。



「それでさ」


「……………?」



「………俺のこと好きになれよ」


「…………え?」



私は自分の耳に聞こえてきた言葉を疑った。





「俺のこと好きになってよ」